たくさんの花を抱いて

３年３組担任 田中飛鳥

皆さん、おはようございます。
今日も欠席者はゼロ。二週間連続ですね。
無理をして来ている人がいないと良いのですが、顔色を見る限り、元気そうですね。もしいつもと違うと感じたら、いつでも言ってくださいね。無理しない。鉄則です。
さて、今日はいよいよ卒業式です。。
４月からはそれぞれの道を歩んでいきますね。楽しみでいっぱいですか？ それとも、不安に押し潰されそうですか？ 皆さんなら大丈夫。私は皆さんを応援しています。
突然ですが、校庭の桜を見てください。
今年の冬は暖かかったので、卒業式に間に合いました。綺麗ですね。
幸い今日まで強い雨風もなく、咲き誇っている桜の花のように、皆さんの笑顔も輝いています。すごく、綺麗です。
こうして、大切な日を皆さんと迎えられたことが、私にとって一番の幸せです。ああ、幸せを押し付けたいのではありません。何を感じても、皆さんの自由ですから。
中学校を卒業することは、嬉しいですか？
それとも、寂しいですか？ 両方の気持ちが心の中で渦を巻いている人もいるでしょう。私も、そうです。皆さんが無事に卒業することに嬉しさを感じる一方で、もう話せないと思うと寂しくなります。廊下で会う度に話しかけてくれた人との会話も、連絡帳で文通してくれた人とのやり取りも、すごく楽しくて、いつも明日が楽しみでした。そうそう、ピンクのペンで書いていたコメントが縦読みメッセージになっていたことに、皆さんは気づいたでしょうか？ お家に帰ったら、見返してくれると嬉しいです。ああ、今は読まないでね。
……と、卒業式があと20分で始まります。予行練習の時にも言いましたが、体育館シューズに履き替えてくださいね。上履きのまま入場すると目立ちますし、後輩に笑われてしまいますよ。それが嬉しい人もいるでしょうが、今日は真面目に。お願いします。
１組が出発したので、そろそろ３組も並び始めましょう。
その前に、ひとつだけ。
中学校の三年間で、皆さんはたくさんの花を咲かせました。楽しかったこと。辛かったこと。色々なことから学んだその全てが、そして皆さんが咲かせたその花を抱いて、これからの道を、歩んでください。
ああ、もう並ばなくてはいけない時間です。凛とした姿を、後輩に見せるように。槇先生が仰ったことを思い出しながら、皆さんの顔と所作を通して、今までの感謝を伝えましょう。
長い文章を静かに読んでくれて、本当にありがとう。声の出ない私を先生と呼んでくれた皆さんが、大好きです。