いねむり国王

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 そのころ、まわりの国からこんなうわさがつたわってきました。  ある大きくて強い国が、いろいろな国をせめほろぼしているというのです。 「私たちの国も、せめられるぞ」  と国民は心配でたまりません。  国を守るために、会議でいろいろな作戦をだしあいました。 「国のまわりに大きな壁をきずいて、敵が入れないようにしたらどうか」 「国中から兵士をあつめて軍隊をつくろう」  いろいろな意見が出されました。  それでも、国王はあいかわらずのいねむり。 「頼りのない国王の国に生まれて、私はなんて不幸なんだ」  そんなふうにいう国民もいました。
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