白い子猫

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このようなことはその後も時々あって、特に動物に乗り移った後はその動物と会話することができた。 小学生の頃の私はこのようなことは誰でもできることだと思っていたが、中学生になると自分以外の人にはできないことなんだということを知った。 動物に乗り移った私は、 「バケモノ」 と言われることが多かった。 まぁ動物が言葉をしゃべったら、誰でもびっくりするのは理解できる。 小学生の頃の私は急に死んだ人と話したり何かに乗り移ったりしてしまったが、自分では意識せずにいつの間にかこのような状況が起きていた。 しかし中学生になると自分から死んだ人に話しかけたり何かに乗り移ったりする行動が、自分自身で意識的に制御できるようになった。 だから特別なことがない限り普段の私は、この能力を使わないようにしていた。 私には『裕貴(ひろき)』君という幼なじみの男子の友達がいる。 裕貴君は、私のこの能力のことを知っていて秘密にしてくれている。 私がこの能力を持っていることで悩んだ時期があって、この時裕貴君が親身になって相談に乗ってくれた。 裕貴君は、私にとって信頼できるなくてはならない親友という存在だった。 裕貴君とは、静岡の小学校の高学年の時期と中学校の時クラスが一緒で、高校では同じ高校に進学してクラスは別だったが同じ吹奏楽部に所属していた。 吹奏楽部の練習が終わると、よく一緒に帰ったりする仲だった。 大学は裕貴君も東京都内の4年生の大学で、理工学部で電子工学を学んでいる。 私は週末に時々裕貴君に誘われて、映画を観に行ったりテーマパークに遊びに行ったりしていた。 私は裕貴君と一緒にいる時間は、とても安心できて楽しい時間だった。
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