白い子猫

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少しぽかぽかと温かくなってきた4月、私は花屋さんで買ったお花を持って裕貴君の病室を訪問した。 病室の前でノックして病室のドアを開けると、裕貴君のおとうさんとおかあさんがいて、おかあさんは椅子に座って泣き崩れていた。 私に気が付いたおとうさんが、 「有栖ちゃん」 と声をかけてくれた。 私は何事が起きたのかと急に不安に襲われたが、その不安は的中した。 「有栖ちゃん、たった今裕貴が天国に旅立ったよ!」 おとうさんが静かな口調で私に今の状況を教えてくれた。 私はショックで言葉が出なかった。 私は病室に入ってベットに横になっている裕貴君の顔を見つめた。 その時の私は混乱していて、自分の能力がいつの間にか解放されてしまっていることに気が付かなかった。 私は裕貴君から声をかけられた。 「有栖」 私が瞼を閉じると自分の体が宙に浮いたようにふわりと浮かんだような感覚を覚えた。 少しして瞼を開けるとそこは薄暗い世界で、私の目の前に裕貴君が立っていた。 「裕貴君」 私が声をかけると裕貴君が、 「有栖、また話ができて嬉しいよ!  有栖の特別な能力のおかげだね!」 と優しく言葉をかけてくれた。
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