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「ねえ、みゆき?聞いてるの?」
ノートに集中していて、ゆりの声に気付いていなかった。
私がすぐに返事をしないでいたら、ゆりは席を立って私の横に回り込んできた。
「えっ!これって…」
「わ!見ちゃダメ!」
急いでノートを閉じたけれど、もう遅かった。
「みゆき、もしかしてイジメられてるの…?」
「え?」
「だって、今のって呪いかけてたんでしょ?」
ゆりはすっごい勘違いをしてるみたいだ。
「だってだって、1ページ丸まるギッシリ名前が書かれてたじゃない!」
「う、うん。そうなんだけど…。」
「みゆき、芳高になんかヒドイことされたの?!」
「いや、えっと…。」
私がノートを見られたことが恥ずかしくて、うまく否定できないでいると、正義感の強いゆりは行動に出ようとし始めた。
「私、芳高と話しに行ってくる!」
もうだめだ。恥ずかしいけど誤解を解いて、ゆりを止めないと!
「ゆり、待って!違う、違うの!」
歩き出そうとしたゆりの腕を素早く掴んだ。
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