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「私こそ、ごめんね。親友なのに、ゆりになかなか言えなかったから。」
「いいよそんなの。私が恋愛オンチなの、みゆきが一番よく知ってるもんね。」
あはは。と言ってゆりは笑って流してくれた。
ゆりは絶対、私のことを悪く言ったり責めたりしない。ゆりに言えて、よかった。
「でも、みゆき。一言言ってもいい?」
「なに?」
あの優しいゆりが何を言うのだろう、と恐る恐る聞き返した。
「ノートびっしり名前書くのは、絶対やめた方がいい!怖いから!!」
たしかに冷静になったら自分でもそうだなと思った。
最初はひとつだけ「芳高樹」と書いただけだったのに、無意識にノートの一番下の行まで書き続けていた。
「私もそう思う。今度から半ページくらいにしとく。」
「半ページも十分怖いって。」
「あははは。」
二人して笑い合った。
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