第一話 片思いの相手

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「私こそ、ごめんね。親友なのに、ゆりになかなか言えなかったから。」 「いいよそんなの。私が恋愛オンチなの、みゆきが一番よく知ってるもんね。」  あはは。と言ってゆりは笑って流してくれた。  ゆりは絶対、私のことを悪く言ったり責めたりしない。ゆりに言えて、よかった。 「でも、みゆき。一言言ってもいい?」 「なに?」  あの優しいゆりが何を言うのだろう、と恐る恐る聞き返した。 「ノートびっしり名前書くのは、絶対やめた方がいい!怖いから!!」  たしかに冷静になったら自分でもそうだなと思った。  最初はひとつだけ「芳高樹(よしたかいつき)」と書いただけだったのに、無意識にノートの一番下の行まで書き続けていた。 「私もそう思う。今度から半ページくらいにしとく。」 「半ページも十分怖いって。」 「あははは。」  二人して笑い合った。
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