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段々慣れてきた俺は、トリッキーなポーズを試すようになってきていた。
次なるポーズはこれだ。
股のぞき。
天橋立を見るときにしかしないであろうこのポーズを、全裸でやる勇気。しかもセルフ撮影でやっちゃうこの斬新さ。
芸術点は比較的高めを頂けるのではあるまいか。
まず椅子を二つ用意する。その上に鏡に背中を向けて立つ。そしていざ股の間から鏡の方をのぞく。
大切なものが目の前をブラつく姿勢と言えばわかるだろうか。当然写真に写り込むことになる。
だが、最初の誓いとして、やはりそこは隠すべき。
カメラをそいつの前に出して写真を撮る事で、カバーしようというトリッキー炸裂。
これはなかなかに軟体性を要求されるポーズだが、仕上がりはきっといいものになるはず。
……苦しい。
これはあまりのんびりできない姿勢だ。
完全に忘れていたけれど、俺は柔軟が苦手なんだった。
だが、芸術とは苦しみの果てに誕生するもの……と誰かが言ってたようなそうでもないような……。
よし、よぉし。どうにかカメラを構える事ができたぞ。
この角度ならばっちりだ。
鏡に映った全身も入っている。
ではいざ、シャッターを……。
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