ばけもの

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ふと気付くと目の前に少年の寝顔がある。 どうやら夢を見ていたらしい。 「ん゙ん?…起きたのか、何かうなされてたみたいだが、大丈夫だったか?」 「大丈夫だけど、うなされてたら普通起こさないか?」 「俺は、眠かった。それに抱き寄せたら落ち着いたから下手に起こすのもと思ってな」 どうやら、彼なりの親切心だったらしいが、どこまで信じられるのかわからない。 「じゃ、もっと強く抱き締めてよ」 嫌な夢を忘れたいのもあって、彼の胸にすがりつく。 「ハイハイ。今度は俺の夢見ろよ」 グッとまわした腕に力を入れられ、体の隙間を埋められる。
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