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彼は、恋人の朔(はじめ)。
傷が治っても、血を舐めても何とも思わない。
それどころか、蚊に例えられた事さえある。
しかも!恋人関係になってから!
「朔は、バケモノ呼ばわりされた事ある?」
「ん?……俺は、基本特化したところないからな………夜のしかも、満月だけ注意すれば……昔の夢みたのか?」
「うん。自分の傷を舐めて治して、友達の傷舐めて血をとめたら“ばけもの”って泣かれた」
胸に顔を埋めたままで、夢の…過去の話をした。
「そりゃ、仕方ないな。傷なんて舐めねーし、舐めても傷は治らない。その子も怖かっただろうな」
彼は実に楽しそうに言う。
「だって、《普通》の保育園だったんだろ?」
「うん。ボク、クォーターだから出てくるかわからなかったんだよね。太陽も平気だし、ニンニクだって臭いくらい、十字架だって触れる。だから、とりあえず一般の保育園にしたんだってさ」
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