0人が本棚に入れています
本棚に追加
最初の記憶は保育園だったと思う。
友達と二人で怪我をした。
血が滲んだ友達の腕を、躊躇いなく舐めた。
美味しそうって思ったのもあるし、血を止めてあげたいってのもあった。
けど、それは《普通》じゃなかった。
「なっ、なにするの!ばけもの!!」
自分の傷を舐めて治した事も悪かったと思う、その友達が大声で叫んで泣き出した。
先生が慌ててやってきて、その子の傷つけたのがボクで、それで泣いたのだと勘違いをした。
助けたのに怒られた理不尽さと、バケモノ呼ばわりされた驚きで、泣いた覚えがある。
それから、その子はボクの事を恐れるようになって園から去ってしまった。
ボクは両親から強く、人の血を舐めてはいけないと叱られた。
最初のコメントを投稿しよう!