ばけもの

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最初の記憶は保育園だったと思う。 友達と二人で怪我をした。 血が滲んだ友達の腕を、躊躇いなく舐めた。 美味しそうって思ったのもあるし、血を止めてあげたいってのもあった。 けど、それは《普通》じゃなかった。 「なっ、なにするの!ばけもの!!」 自分の傷を舐めて治した事も悪かったと思う、その友達が大声で叫んで泣き出した。 先生が慌ててやってきて、その子の傷つけたのがボクで、それで泣いたのだと勘違いをした。 助けたのに怒られた理不尽さと、バケモノ呼ばわりされた驚きで、泣いた覚えがある。 それから、その子はボクの事を恐れるようになって園から去ってしまった。 ボクは両親から強く、人の血を舐めてはいけないと叱られた。
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