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朝起きて学校に行く支度をする。
特に急ぐ必要もなく、ゆっくりと、自分の心を沈めながら。
朝ごはんに片手で済ませられるゼリー飲料を持ち、重い足取りで自分の部屋を後にする。
小学校、中学校とあの時から5年がたった。
中学3年のバレンタインデー。
あと少しでこの日常から開放される。
あと1ヶ月。
その1ヶ月さえ乗り切れば、この田舎から離れた知ってる人なんていない土地で新しく高校生活を始める。
あと少し、あと少しって思うほど一日が長く感じる。
小さい頃は楽しくてあんなに早かった一日が、電池が切れかかった時計みたいになかなか進むことが出来ない日々。
でも、どんなに長くてもあと少し、1ヶ月。
これを乗り切れば今までのことは忘れてまた楽しい日々が始まってくれるはずだ。
忌々しいバレンタインデーの朝。
1番行きたくない場所へ…
学校へ着いた。
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