終わりの始まり

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そんな僕にも好きな人が出来た。 小学校1年生の頃から4年生までずっと一緒のクラスだった。 僕が男の子たちと遊んで疲れてフラフラしてる時、いつも助けてくれる子。 誰にでも優しくて頭が良くて顔、体の形が綺麗でモテる子。 そんな子が僕のことを助けてくれた。 1度じゃない。何度も。 その優しさに心が惹かれてしまった。 それからは毎日が楽しかった。 今までいやだったかけっこもボール遊びも好きになった。 だってあの子と遊べるから。 小学4年生の2月。 バレンタインが近づいて女の子たちはウキウキしてる。 僕もウキウキしていた。 今年のバレンタインにあの子にチョコを渡すんだ、と。 バレンタイン当日。 あの子のカバンには先生にバレないようにと小さく包装されたチョコがいくつも入っていた。 僕は直接渡したくて放課後まで待っていた。 そしてあの子を誰もいない教室に呼び出した。 ドキドキと心臓が脈を打っていた。 小さい声で「好きです」とつぶやきチョコを渡した。 夕焼けのオレンジが教室を包んでいる。 その子から言われたのは一言。 「気持ち悪い」
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