バケモノの涙

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「そうだ、俺はこのゲームの世界から何年も戻っていない。 これより大きなバケモノの涙を手に入れて現実の世界へと戻る」 「そうだな、俺も戻りたい」 蔵人の意外な反応にカサドが問う。 「お前、前は『ずっとこの世界に入れたらな』なんていってたじゃないか」 「この世界だと俺はヒーロー扱いだからな。 お前もそれで俺に近づいてきたんだろ」 笑ってカサドを見つめながら、現実に戻って【ムーンナイトサバイバー】と不審死の関係を確かめたいと思う気持ちが芽生えていた。 「まぁ、俺一人でも充分なんだがな」 力瘤を見せつけてくるカサドに尋ねる。 「これからまず何をする?」 「町に行ってこれを売る」 透明になったバケモノの涙を見せる。 「そんなの売れるのか?」 「使用済みっていったって、超レアアイテムだ。 けっこな高値で買い取ってくれる」 「お前さっき、台無しだとか言って俺を責めたよな! 俺の反省半分返せ!」 「台無しは台無しだ」 二人は軽い会話をしながら町に向かって歩いていく。 蔵人が殺した男は静かに朽ちていく。 この世界で生きていくためには、現実の世界に戻るためには、罪悪感はない方が良いのだろう…でも
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