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カミサマと俺
「すげー……勘解由小路の奴、また中間トップだぜ」
「さすが生徒会長だよな」
そう、俺こと勘解由小路 権之助は成績優秀だ。
「キャーッ! 権之助センパイだ! 今日もカッコいい~! 名前がちょっとアレだけど」
「ほんとクールなメガネ姿がイイよね~! 名前がちょっとアレだけど」
そう、俺こと勘解由小路 権之助は眉目秀麗だ。あと貴様らは世界中の権之助さんに謝るがいい。
俺は騒ぐ女子共を睨み付け――「目が合った」などと騒いでいた。能天気な奴らだ――、大衆の畏敬の視線を浴びつつ放課後の今、学校を後にした。
高校2年生17歳、いわゆる青春真っ盛りの俺は寄り道もせずに家路を急ぐ。
スポーツも万能で自他共に認める完璧人間の俺には、誰にも言えぬ秘密があった。
「間に合ったな……」
帰宅し、リビングのテレビをリモコンでつける。あらかじめチャンネルを合わせていた為、目的のものが直ぐに映し出された。
相撲中継だ。俺はソファに座りジッと魅入る。
誤解なきよう断っておくが、俺は別に相撲ファンではない。それ自体に興味は皆無だ。
それにも関わらず何故、こんなにも真剣に視聴しているのかというと。
「フッ……この力士、なかなか良い腹をしているな……」
ニヤリとする俺の視線は、試合そっちのけで力士の腹そのものに注がれていた。
そう、俺は重度の――腹フェチだ。
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