カミサマと俺

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 まぁフェチとは言っても俺の場合、本来の性的興奮云々のディープな意味ではない。  猫好きが子猫を愛でるように、ただ単にライクが行き過ぎただけだ。うおお何だこの腹は可愛い可愛い堪らんという一種の父性愛(?)である。  しかしながら、腹なら何でもいい訳ではない。痩せた腹には見向きもしないし、筋肉でバッキバキのシックスパックなどもってのほかだ。男としては憧れるが。  そうではなく、曲線を描くようなぽっこり腹だ。あまり垂れていてもいけない。そこらへん上手く説明できずもどかしいが、それだけ俺のこだわりは深いのだ。  そもそも俺が腹フェチに目覚めたのは、まだ幼稚園年少の幼き頃だ。慕っていた今は亡き祖母がポッチャリ体型――デブではない――で、その彼女の腹を触ると大変心地よかったのだ。  俺は幼いのを良いことに隙あらば彼女に抱き付いた。祖母の腹は例えるならば、つきたての鏡餅のように天下一品。好みドストライクで、もうラブラブラブであった。そろそろ言い訳しておくが俺は決して変態ではないし、腹を抜きにしても彼女を愛している。  祖母亡き後、もろもろ悲しみに暮れた俺はクッション集めに走った。おかげで俺の部屋はクッションだらけだ。ちなみに低反発が多い。  それらを毎日ぷにぷにぽよぽよしている訳だが、祖母のような理想的な触り心地には未だ出会っていない。俺は満たされず、常に心に穴が空いた状態で育った。  ハアと相撲中継を見ながら息を吐き、ひとりごちる。 「ああ……素晴らしい至高の腹に出会いたいものだ……」
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