4人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな俺の切なる願いが天に届いたのだろうか。
ある朝、登校していると『腹』が空から降ってきた。雨のようにポテッと、俺の頭に落ちてきた。
ほどよい重量のあるそれを手に取ると、俺の両の掌にジャストフィット。その瞬間、俺はメガネ越しに目をパアァと輝かせた。
白に近いクリーム色、輝く質感にホッと落ち着く温度。そして大福の如く弾力のあるフォルム。まさに理想の祖母の腹そのものではないか!
「ヤア、ニンゲン」
「うおお!!」
俺が感動していると、その大福が普通に挨拶をした。よく見ると手足だろうか、線か棒のようなものが4本、大福にニュッと生えている。そして中心には小さな口と目――あ、瞬きした。
い、生き物だ、コイツ。
「な、な、何だ!? 貴様」
完璧人間の俺が珍しく動揺すると、俺の掌の上のそれは「キサマとはシッケイな!」と小さな棒の腕をブンブン振った。ぽよんぽよん跳ねて抗議している。手が幸せ。
「ワガハイはカミサマだ! おなかのカミだ!」
……パードゥン? 俺の脳内が思わずイングリッシュになる。何を言っているのだこの大福は。手が幸せ。
最初のコメントを投稿しよう!