カミサマと俺

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「おなかのカミサマだと? 腹に神などいるのか?」  にやけそうになるのを堪えつつ俺は訊ねる。大福は「もちろんイルゾ!」と二本の棒の足で器用に立った。クラ……いや、大福が立った! 「このヨのバンブツにタマシイはヤドルのダ! それらをツカサドるモノをソウショウしてカミとイウ! ツメひとつにもカミいっぽんにもツカサドるカミはイルのダ!」  髪の神か……駄洒落のような話だな。それにしても、体をプルプルさせながら大福が一生懸命説明をしている! かーーわーーい~~ぃ!  ハッいかんいかん。キャラ崩壊も甚だしいぞ俺よ。えほんと咳払いをする。 「それで、そのおなかの神が何故空から落ちてきたのだ?」 「ウッ……それは……ジツは……」  途端に大福はモジモジする。棒の手を互いにツンツンしながら言いにくそうに言った。 「ソラにはオオくのカミのスむクニがアルのだが……イチバンえらいカミサマのオヤツのダイフクをワガハイたべてしまってナ……それでバツとしてゲカイにおとされタ」  理由が可愛すぎる。俺は萌えるあまり鼻血をブハッと吹き出して倒れてしまった。  視界が暗転する直前、ふよんとしたものに体が包まれる。温かい……祖母に抱っこされている幼き頃のようだ。  俺は幸せな気持ちのまま、すうっと意識を失ったのだった。
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