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9月2日 15時6分
「ありがとうございましたー!」
今日も朱美さんの威勢の良い声が店内に響く。最近、吉矢さんの声がさらに小さくなった為、朱美さんの声もそれに比例して大きくなっていく。
煙草を持って裏へと出ていく吉矢さんを見て、『準備中』へと看板を変更した。
「浩二君、最近は仕事どう?」
朱美さんは店が閉まるとなったが気を使ってかいつもと変わらないテンションで話しかけくれる。
「先週行ったオーディションもダメでしたね」
「そっかぁ、大変よね。でも凄いよねー夢があってそれに突き進むってさ」
「いや、俺はー、ただ逃げているだけですよ、嫌な事から。好きな事しか出来なくて、自分に甘いんです。たぶん両親も生きていたら相当怒っていると思いますよ」
俺の両親は22年前に交通事故で亡くなった。
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