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「さぁ、どうします?因みに一度断ると、二度目は御座いません」
「え?」
「それも含めて、オーディションですから」
まったくもって訳も分からず、疑念しかない。が、何故か中に入りたい気持ちが毎秒に増していった。
オーディションという言葉に刺激されたのか、連敗続きで特に仕事も無くぼんやりと生きていたからなのか、既にゆっくりと右足が動いている自分が居た。
「ふふ、ではこちらです、ご案内します」
「……」
階段を登っていく村上の後を、数メートル距離をあけ付いていく。
2階へ行くとそのまま通路が繋がっており奥にまた階段へと続いていた。その階段手前の扉で村上が立ち止まり、こちらを振り向いた。
「こちらの扉で御座います」
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