第1話『 己 』

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「え?」 「私は上の文字を片付けてきます」 「あ、あの」 「今からでも辞めて構いませんよ?」 「……」  なんだか挑発されている様に感じる。  俺はゆっくりと扉の前へ立った。 「あ、初めての方は5回ノックして下さい」  そう言い残し、村上階段を上がって行った。  まぁ今さら何が起きてもいい。  例え此処が反社会的な所、またはよくわからない変な自主映画製作会社だったとしても断って直ぐ帰ればいい、そう思って俺は5回ノックをし、扉を開けた。
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