第1話『 己 』

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 近くのコンビニのゴミ箱へハンカチを捨てる事にした。  そこら辺に投げ捨てようかとも考えたがまた戻って来られても困る。  そう思った時だった。折られたハンカチの隙間から紙切れがヒラヒラと落ちた。  「ん?そういえば今朝も……」  その紙切れは綺麗に折られ、薄く文字が見えた。紙を広げる。 【さて、次は貴方の番です。これを拾った貴方がまず行う事、『活』の前、17時に村上さんに会う】 「……なんだこれ」  呪いの手紙か何かだろうか?それにしては内容が薄い。よくわからないまま俺はコンビニに寄り、ゴミ箱へ捨てた。  帰りの電車内、いつものように外を眺めているとふと『活』という文字を思い出した。 「ん?カツ?」  そういえば今朝、『活』という字も見た。あの紙に書かれた『活』と恐らく同じことだろう。外の景色は丁度その建物の前を通る頃だった。 「……ない」  『活』という垂れ幕は無くなっていた。  【17時に村上さんに会う】  確かそう書いてあった。垂れ幕は17時に仕舞われたのか?なんだか先ほどの紙切れが気になってきた。
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