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黒色の海
コヂカの心にはズレがある。宵も更けた海岸からバスで家に帰る途中、コヂカは座席に腰掛けてポケットの上からシーグラスを撫でていた。
黒い海の中を漁火が流れていく。
隣の席にはマリ、一つ前の席にカンナとシオンがスマホ片手に話し込んでいる。
今日も学校でいっぱい話して、それぞれ部活に行って、そのあとシーグラスを拾って、充実した一日になった。
コヂカは4人のLINEグループに載せられたアルバムの写真をぼんやりと眺めながら、画面左上の時刻が変わるのを刻一刻と追っていた。
「うわ、片岡たち心スポ行ってる」
マリが独り言のように呟いた。いつの間にか話はビーチコーミングの話題から逸れている。
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