宵の渚

4/9
29人が本棚に入れています
本棚に追加
/293ページ
「まあつまり、海に行って、綺麗なやつ拾って、洗って加工するだけだよ」 「めっちゃアバウト」 マリが笑った。薄埃(うすぼこり)が輝く髪に付いていた。 「でもいいね、うちらだけのピアスって。なんか青春って感じ」 シオンの言葉にカンナは相槌を打った。 「さすがシオン、わかってるわーっ。ね、コヂカもそう思わない?」  それまで卵焼きを箸で切ったり摘まんだりしながら、ぼんやりと話を聞いていたコヂカは、カンナの不意の問いかけに、 「あ、うん。そうだね。めっちゃっぽい」 とそこはかとなく同意した。
/293ページ

最初のコメントを投稿しよう!