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- 宵の砂浜 -
「2組の片岡ってさあ、横顔だけほぼ菅田将暉だよね」
「いや、ないでしょ。なんで?」
打ち付けられた波音に品のない会話が乗った。カンナとシオン、マリの三人は漂着物集めに飽きたらしく、いつも教室でしているようなおしゃべりに耽っていた。
こういう時、一番綺麗で立派なシーグラスを見つけてくるのは『まじめで常識人』のコヂカの役目だった。誰よりも美しい色合いを見つけ出して、
「さすがコヂカだよね、うちなんて全然使えるやつないよ」
とかカンナに言われて、
「やっぱうちらとセンスが違うよね、コヂカは」
ってシオンに羨望なのか嫉妬なのかよくわからない目を向けられる。そして、集めた漂着物のクオリティの違いに
「いやコヂカとカンナの差よ」
とマリが茶化して
「あんたも変わんないじゃん」
とカンナが突っ込む。
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