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だけど、なんだろう。コヂカの心のグラスにはぽっかりと穴が開いていて、3人が精一杯に青春を注いでも、全部流れ出て行ってしまう。
だから3人は決して悪くない。悪いのは楽しいことを、楽しいと感じられない私の方だ。
うつむいたまま渚を歩いていたコヂカは、貝殻と貝殻の隙間から臙脂色(えんじいろ)のシーグラスが顔を出しているのを見つけた。
屈んで手にとってみると、コーラの瓶の欠片だろうか。いびつな形をしてところどころ尖っている。色も煤が抜けたみたいに疎らに透過して、ちぐはぐに汚れているようだ。
コヂカはこのシーグラスがとても気に入った。ハンドメイドの材料にはなりそうにないけれど、見る角度によって装いが変化する趣が好きだ。
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