宵の渚

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でも3人に見せたらなんて言うだろう。 「え? なんか微妙じゃね」 「コヂカらしくない」 「ほかには? ほかには?」 シーグラスの鬱屈とした行く末を案じて、コヂカはこっそりとそれを制服のポケットに入れた。 哀切を極める橙色の空は、この時期はゆっくりと深く変化していく。 3人を喜ばせるために、ありあわせで比較的綺麗なシーグラスや貝殻を集めて、コヂカはカンナたちの元へ戻った。
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