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橙の学校
「おーいお前らー。夏休みボケはおさまったかー?」
「センセー!まだ夏休みっすよ!」
「嘘つけ田中!お前提出物ほとんどやってねぇだろ!」
ミーンミンミン……
「ん……」
「おーい轟。お前も懲りねぇな。窓側の一番後ろは、案外先生たちも見てるんだぞ」
「ふわぁ、んんー」
暑いな。
チリンチリン……
『明日も、猛暑が続き……となるでしょう』
「蒼人、麦茶いるかい?」
「……いる。じーちゃんは?」
「畑に行ってるよ。暇なら遊んできても良いんだよ?」
「誘われてないから、いい」
「そうかい。昼ごはんは素麺だからね」
「うん」
ピー、ピー、ピー、
「あれ……風……故障?」
ミーンミンミンミン……
「……ば!ちゃん~、扇風機、壊れたー」
「………………」
「畑かな……」
ピンポーン
「ん……誰……」
ピンポピンポピンポピンポーン!!
「うわ……田中か……」
ダンダンダン!!
『あいとー!!おーい!起きてるかー!!』
ガララ
「よお!って、あっぢ!!うをぁ!お前、半分溶けてるだろ!」
「ん……田中……扇風機、壊れた……」
「そー言えばお前んち、エアコン無かったよな!」
「…………」
「見せてみろよ。俺、こーゆーのは得意だからさ!」
「頼む……」
「っと、直ったぞー!」
「ありがと…………これ……」
「うお!カリカリ君じゃねぇか!くれるのか!?サンキューな!!」
「ばあちゃんからだから」
「あいとのばーちゃん、ありがとう!!!」
「何処に向かって言ってるの」
「いや、畑かなと思って、畑に」
「あそこは俺らの畑じゃない。お隣の」
「うをっ、マジか」
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