緑の夏休み

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緑の夏休み

「みーやーたー!ジュース奢ってくれよーう!」 「何でだよ!つか、前まで赤点ギリギリだったのに、お前のせいで残されたじゃんか!」 「荒井センセ、今日も恐かったなぁ!」 「人の話聞けよ」 「お、メール」 「……誰から?」 「from 悠人」 「高木か。内容は?」 「『明日海行こう。1時集合。昼飯食ってこい』だそうだ」 「1時なら俺らも補習終ってるな」 「そだな。行くか?」 「うん。勉強ばっかじゃ、脳が死ぬ」 「ははっ!だな!おし、返事俺の方からしとくぞ」 「よろしく。ん、もう着くな」 「あっ!!やべぇ!今日家族旅行いってんだった!」 「お前おいてかれたのか?」 「ちげーよ!勉強すっからいいって言ったんだよ!」 「珍しいな。じゃ、今日は一人か?」 「いや、カギ家ん中」 「玄関は」 ガチャガチャ 「…開いてねぇ」 「しょうがないな。母さんに言っとくから泊まってけよ」 「良いのか?サンキュー。やった!宮田ん家の母ちゃんの飯、昔から旨いよな!」 「旨いのかは知らないけど。母さんもお前の事気に入ってるしな。とくに中学上がってから」 「まぁな!」 「服どうする?」 「俺今日部活行ってねぇから部着ある!」 「じゃ、大丈夫だな」 ガチャン 「ただいまー」 「お邪魔しまーす!」 「お帰り和樹(かづき)~あら!!啓一君いらっしゃい!!どうしたの?」 「母さん、今日啓一泊まるから」 「そうなの!?うれしいわぁ!じゃ、今日の晩御飯買ってくるけど、何がいい?」 「肉じゃがで!」 「遠慮しろよそこは」 「じゃ、スーパーでお菓子も買ってくるから、お風呂先に入っててねー!ウフフ」 「はい!」 「やかまし…」 「あ、かづき!お前スウィッチ持ってる?」 「あぁ、テンテンドーの?兄貴のお下がりなら」 「俺今持ってるから一緒にやろうぜ!」 「今持ってるって……お前、学校持っていったな?」 「まぁな!!」 「はぁ~……荒井に見つからなくて良かったな」 「なぁ、コンセントさすとこ、どこある?」 「俺の部屋のとこ」 「おけ!」 ドタドタドタ… ピロン 「ん?」 轟からメールか… 『明日1時校門前集合。海』 アイツらしいな。 「了解、と」 「かづき~!エアコンつけていいかー?」 「いーよ!俺も今上行く!」 「りょーかい!」
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