白い暇

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白い暇

ジーージー… ぶぅぅん… 「…」 ピロン 『蒼人ーそろそろ起きろー。もう8時なるぞー!』 「…」 タッタッタ… 『起きてる』 カタン… 「はぁ……」 ピロン 『じゃあ早く家来いよ。お前居ないと田んぼコンビ俺一人で見ないといけなくなる』 「…」 『分かってる▼ カタン 「………スー……スー」 ピロロロロロ!! 「っ!……もしもし…」 『あー、やっぱり。蒼人朝から二度寝寝落ちするとこだったね』 二度寝ねお……? 『なーあ、にどねねおちってなんだぁ?』 『あーも、煩い。今喋ってるからちょっと待て!…悪い蒼人。急ぎで来てくれ。耐えられん俺が』 「ん。りょうかい…」 『また寝落ちすんなよー!』 「んー」 「ばーちゃん、俺ちょっと行ってくる」 「はいはい、7時までには帰ってくるんだよ」 「うん」 ガララ 「…行ってきます」 タッタッタ… 『もしもし?』 「もしもし。コンビニ居るけど、何か買うものある?」 『あー、コーラデカイのあるから、何かしょっぱいの食べたいって……田中がポテチだとさ』 「遠慮ないな。あれちょっと高いぞ」 『そーいうやつだろ。頼んだ』 「了解」 ガサガサ… ピッ 「168円になります」 チャリ… 「170円からでよろしいですか?」 コクリ 「2円のお釣りと、レシートになります。ありがとうございましたぁ」 ガチャン トットット カチャ… 「おっ、蒼人来たな」 「わーい神様だー!ポテチだー!」 「田中うっさい」 「こことここなんだけど…」 「それはこうして……」 「お、出来た!サンキュー!」 「ん」 「なぁ轟。ここは?」 「あぁ、それは……」 ミーーンミンミンミーン… ジージージージージー… 「あづぃ…っかれたぁ…」 「あっ!おま、扇風機の前くんな。風来ねぇだろ!」 「あ"ー!わ"れ"わ"れ"は"、う"ちゅう"じん"だ!」 ピッピッ 「こら田中。人ん家の扇風機で遊ぶな。てか風向自分のとこに当てんな。回せ」 「エアコン温度下げれば?」 「今ぶっ壊れてんだよ。この前の台風の時から」 「あー…あれ凄かったよな」 「断水」 「蒼人の所はそーだったな。俺は停電オンリーだけど」 「マジ?俺何も無かったわ」 「嘘つけ。お前んち網戸ぶっ壊れてただろ」 「あれは猫がやったんだよ。かづきん家も何も無かったろ?」 「まぁな」 「おい田中。あんなに沢山時間使ったのに、お前宿題真っ白だぞ」 「……テヘペロ♪」 「止めろキモイ。男子高校生のテヘペロなんざ見たくねぇ」
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