赤い夏祭り

2/9
前へ
/28ページ
次へ
「おい蒼人。夕飯食べる前からりんご飴か?」 「…おいしい」 「ほれ、俺唐揚げポテト買ったから食え」 「…う~ん…おいひぃ」 「何回食っても祭の食いもんは格段にうめぇよなぁ…」 「それな。あ、わたあめ」 「また甘いのかよ…全く、昔と全然変わんねぇよな、ほんと」 「うぅ…結構なお値段」 「だろうな」 「でもおいしい物の為なら……」 「ははは」 「ん~~!!」 「旨そうだな。俺にも一口」 「ん。あーん」 「へっ!?……あ、あーん……」 モグモグ…… やっぱり、直ぐ無くなるし、砂糖の味しかしないのに、美味しいな。 「…どぅ?500円の味は」 「うーん…500円、旨いなぁ。はは」 「あはは(笑)」 「なーんかさ、毎年この祭り来てるけど、何か今年は一段と違って見えるな。俺」 「俺はいつも通りだけど…?」 「やっぱ心情がそんまま反映されちゃってるのかなー……」 「?、意味分かんない」 「うん。分かんなくていーよ」 「……?」 「ほら。そろそろ『いつもの場所』、着くよ。やっぱ、誰も居ないなぁ」 「ん」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加