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その後、RとSの姿を見た者はいない。キーは車にささっていたが血痕は見当たらなかった。
僕は東京に戻り、ポケットに入っていた土を高い校舎の屋上から撒いた。見上げると、やけに明るい満月が浮かんでいた。
満月の光の下で、僕はSの煙草の箱を開いた。そこには折り畳まれた紙切れが入っていた。手紙だった。
Sはやはりこの大学に合格した僕に嫉妬していたと告白していた。それで、僕らの憧れだったYが卒業式の日、僕に渡して欲しいと言ってSに託した手紙を捨ててしまった。その謝罪の手紙だった。
しかしそれももうむなしいだけだ。Yも行方不明になっていたのだから。
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