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第一夜 廃病院
「君は、怖いのは好き?」
ある日、話した事もないクラスメイトから声をかけられた。
メガネをかけた、オタクっぽい男。
「君は…T君だっけ?」
同じクラスにいるが、全員の名前なんて覚えきれていない。
ましてや、あまり話したことのない人の名前なんかうろ覚えだ。
「ふふ、よく覚えてたね。で、怖いのは好き?」
「怖いのは好きじゃないな。君の事もそんなに興味ないし、悪いけど帰るわ。」
今日は早く帰って昨日のゲームの続きがしたい。こんなやつに付き合ってる暇はない。
「よし、じゃぁ今夜22時頃に君の家に迎えに行くからね」
ん? ちょっと待て。こいつ今なんて言った?迎えにいく?
「おぃ、お前俺の話を、、、」
ブツブツブツブツブツ
何だよ。こいつ。
Tは、いきなりシャーペンで自分の舌を突き刺し始めた。舌が真っ赤に腫れ上がっていく。
その行為を見て、一気に気持ち悪くなり吐き気がしてきた。
「とにかく、俺は絶対行かないからな!」
俺は、そうTに言い放ち帰路についた。
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