第二話 フェイク EMA HIIRAGI

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容疑者、槇田 玲子は、『救急救命士』と言う仕事に異様なまでの執着心を持っている......それは職場の人間からの証言で、予め分かっていた事だ。 日頃より受けていたDVも然ることながら、そんな彼女の仕事を槇田 一徳氏が中傷した事がきっかけで起きた殺人事件ともなれば、正にその裏付けと言っても過言では無かろう。 更に彼女の仕事に対するプライドは、並より遥かに高く、その事は食堂におけるエマとの会話の中でも十分に伺い知る事が出来る。 槇田 玲子が『救急救命士』である事を立証さえ出来れば、後は話の持って行き方次第で、玲子を自供に追い込める! これはそんな予測に基づくエマが作り上げた正に『フェイク劇場』だったに違いない。 しかし......土壇場に来て、最大に危惧していた事が今、現実となってしまったのである。それは正にミイラ取りであった担当刑事たる沢山 一美が、ミイラになってしまった瞬間だったに違いない。 しかし、百戦錬磨のエマ他余名......ここで『フェイク劇場』が、敢えなく終わってしまう事など有り得ぬ話だった...... そんな寸劇は、いよいよ第二フェーズへと移行を始めていく......
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