55人が本棚に入れています
本棚に追加
「ところで......なんであたしがあんたを風呂に誘ったのか分かるか?」
因みに今度は列記とした『女露天風呂』だった。閉鎖中とは言え、一応『混浴』だけに、いつどさくさに紛れて男が乱入して来るか分かったもんじゃ無い。
きっと今頃、槇田玲子は逃亡を謀ってる頃だろうし、女将だってそれに付きっきりだろうから、『女風呂』なら安心して2人で湯を楽しめる......そんなエマの目算が有っての選択だった。
「そうねぇ......あっ、分かった! あなたの仕事を邪魔した私を殺す為でしょう。ここだったら誰にも見られないからね。どう? 図星じゃない?!」
「惜しいけど、ちょっと違うわ」
「あら......残念! 情け無用の殺人鬼、柊恵摩に殺されれば、私の名も少しは上がると思ったのに......あらそう、違うの......なら、なんで?」
「もうどうでもいいわ......頼むからあたしのイメージダウンに繋がるような嘘は広めないでね。ところで......あなたは今、満足?」
「うん......結構、満足かも」
「それって、同じ境遇で辛い思いをしてた槇田玲子を救えたから? 多分、それだけじゃ無いんじゃ無いかしら?」
「さすが柊恵摩さんね。分かってたんだ......あたしがあなたにライバル意識燃やしてたって事を......」
そっ、そうなのか?!
それは知らんかったぞ!
あたしはてっきり、警察に反感を持ってるのかと思ってたんだけど......
最初のコメントを投稿しよう!