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「あのさぁ、もう1度確認しとくけど、あんたがあたしにこの仕事を依頼したから、あたしは今ここに居るんだよな? なのにあたしの仕事を邪魔しただけに止まらず、あたしにライバル意識燃やしてるって......それちょっと話がおかしく無いか?!」
「いやぁ、最初はほんとに助けて欲しかったからあなたを呼んだの......でもいざ本人に会ってみると、うわぁ~、生の柊恵摩が目の前に居る! って急に熱くなっちゃってね。
それで、どこまであなたに対抗出きるか、自分の力を試したくなっちゃったってわけ。この顔の傷だってあなたを騙す為に自分で作ったのよ。気合い入ってるでしょう? でもあなたに勝ててやっとそれも報われたって事ね」
「あたしに勝ったって? 本当にそう思ってるの? 冗談でしょう」
「あら......これは意外! もう今頃、槇田玲子はこの旅館から逃げ失せてる頃だと思うわよ。あなたと交わした契約書は容疑者を逮捕する事でしょう? ちょっとガッカリだわ......天下のエマさんが負け惜しみ言うなんて」
「負け惜しみかどうかは、今に分かる事さ......そんな事より、あんたは刑事で花を咲かせたいんだろ?」
「そりゃそうよ。この年で刑事になれたんだから。これからも一匹狼でバリバリ犯人を逮捕していくつもりよ」
「一匹狼ね......それじゃあどんなに頑張っても、あたしには勝てないわ。あたしにはあたしが動かなくても、あたしと同じ動きをしてくれる優秀な仲間が居るの。因みに......さっきあたしがあなたに出したクイズ覚えてる?」
「なんでエマさんが、あたしを風呂に誘ったのかって......そのこと?」
「そう......その答えはね、あなたにあたしの仲間の仕事を邪魔させない為。ここでこうしてあなたと喋ってれば、今必死に動いてる仲間の仕事の邪魔出来ないでしょう。あら、もうこんな時間......そろそろじゃ無いかしら?」
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