第二話 フェイク EMA HIIRAGI

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............ ............ ............ 「な、なんで......」 「玲子......」 「「お、女将さん!」」 「あなたにこれ以上、罪を重ねさせる訳には......いかない」 見れば......女将は血塗れになって倒れていた。どうやら、松葉杖老人の背中目掛けて振り上げた玲子の出刃包丁が、突然割って入った女将の首を切ったようだ。 そんな衝撃的な光景を目の当たりにして、呆然と立ち尽くす、槇田玲子と圭一と美緒。 そんな中、圭一がいち早く声を上げた。 「救急救命しなくていいのか? あんた得意なんだろ?」 「玲子......何をやってるの?! 私は怪我なんて......していない......早く......行くのです」 「別に......逃げてもいいわよ。多分この女将さん......被害届出さないと思うから」 やがて玲子は意を決すると、背中に担いでいたリュックを地に下ろす。そして中から赤十字マークが描かれたアルミ製のアタッシュケースを取り出した。 そして、そこには間違いなく書かれていた。 『槇田玲子』 そんな大きな文字が......
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