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歓声。周りの反応は冷ややかだろうと予想していたのに祝福の声ばかり上がる。
「宏樹はね、僕の運命の人なんだよ」
そう言って恵斗は俺の唇に吸い付く。
「お前ら!!」
教師たちが騒ぎを聞き付けたのか叫びながら駆けつけてくる。俺は恵斗を抱き上げて靴も履き替えずに外へ駆けた。
「あはは、お姫様抱っこだ!」
腕の中の恵斗は楽しそうに笑う。
「悪くないだろ?」
「最高だよ!このまま僕を拐って!」
目の前は明るくしかない。この王子様は俺のお姫様だ。それでもあの写真は宝物だ。生の恵斗が腕の中にいても、あの恵斗も可愛くて仕方ない。
「ねぇねぇ宏樹、僕の写真見て変なことしてた?」
「どうかな?」
「僕はしてたよ」
腕の中のお姫様はそう呟いて、またキスをした。
了
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