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友人の彰に引っ張られるように出ようとすると、花音は腕を掴まれたのだ、本城と言うαの男子生徒に。
腕を掴まれた花音は、ゆっくりと本城に向けると真剣な眼差しが合う。αとしての表情が自分に向けられていて、喉の奥がヒッと鳴いたなような気がする。
ヒエラルキーの頂点となるαからの視線が怖くて、何故その視線を自分に向けられているのか分からなくて、頭が混乱していく
「花音!」
彰の声が聞こえて、ふと彰に視線をやると彰も顔面蒼白になり、彰に掴まれて引っ張られた腕を離して、ごにょごにょと呟きながら、突然、彰は謝り出してその場を走って去るのを眺めていた。
ハッと気づいた、花音は未だに本城に掴まれた腕を1度視線を向けてから、直ぐに目線を彼の顔に戻す
「・・・・・・こんな、所に居た。」
そんな呟きが本城の口から零れる
怪訝そうな、いまいち理解が追いつかないそんな困惑の表情を浮かべる花音に対して、本城は極上の甘い甘い笑みを浮かべた。
「はい、そこのお二人さん。甘いムードの中、ちょい失礼するわね。」
割って入ってきた保健医である優里奈が、私も居ますよって存在を意味するように声をかけた。
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