タロウとハナコ

　あれ？
　いつも元気なタロウがどうも元気がない。
　向かいに座って給食を食べるタロウを見ながらハナコは不審になって来た。
　タロウは好物のちくわの磯辺揚げを食べている時も浮かない顔をしている。
　どうしたんだろう？
　ハナコは益々不審になって来た。
　ふと、タロウは顔を上げ、牛乳瓶に手を伸ばした。
　その際、タロウと目が合ったハナコは、自ずと笑顔になって話し掛けた。
　どうしたの？元気ないね。
　その言葉に構うことなくタロウは牛乳を飲んだ後、無言の儘、無二無三に食べ続ける。
　ど、どうしたんだ？こいつ・・・
　ハナコの不審感はマックスに達した。
　それに伴い喉の渇きを覚えたハナコは、牛乳瓶を取り上げ、一口二口と牛乳を飲んだ、丁度その時だった。