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決戦の日を前に、私は黙々と薬草を集めていた。
鬼と戦えば、たくさんの怪我人が出る。
少しでも傷薬を用意しなくては。
私に出来ることは……これだけだから。
『はる。』
流が隣に座った。
やえ子の事で気まずくなってから、流と会話するのは初だった。
『はる、俺を避けてるよね?』
『……………』
図星だった。
流を怖いと感じた理由は
それは、もしかしたら
やえ子とテツさんを殺したのは、流なのかもしれないと思ったから
そう結びつけていたけど……
流は命懸けで鬼から村を守ってくれた。
『……ごめんなさい。』
『いいよ。また話してくれたし。』
『違うの!私は流を疑ってた!
だからっ………それに対してのごめんなさいなの!』
『……謝る必要はないよ。』
今、1番に思う事は
『流、死なないでね……』
『うん。』
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