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一人でシて見せて、と。熱っぽく言われてしまった時点で、私の身体は十分に出来上がっていた。というより、下着姿での撮影の段階でかなり興奮していたのは否定できない。うっかり薄くて華奢な布地が濡れて、ヘアが透けてしまうのではないかと思ったほどだ。
わかっているのに、自分で自分を焦らすのは酷く興奮する。子供を産んだこともないのに、無駄に大きく育ってしまった胸を揉み上げながら、くりくりと先端を転がした。彼がベッドの上で、飴玉でも味わうように舐めてくれるのを思い出しながら。本当は痛いくらいの方が好きだと知っているくせに、彼はちっとも歯を立ててくれない。だから私も、自分の指できつくいじめることができないのだ。――なんせ、私は胸だけでもイケてしまうような淫らな女なのだから。
焦らして、焦らして、もっと股間から腹の底まで快楽と興奮を溜め込んで。
自分で自分を、その頂点に届かせないように水際で虐める。ふう、と吐いた息は桃色に烟っていた。パシャリ、とその瞬間に切られるシャッター。ああ、今レンズを見ていなかった。きっと既に、他の人には見せられないような顔をしていたことだろう。
「綺麗だよ、友里加」
彼の声が響く。彼はカメラを構えてシャッターを切っているだけ。優しい言葉をかけてくれているだけ。淫語を強要されているわけでもなければ、言葉で責めたてられているわけでもない。なのに。
ずくり、と脳に響く。揺さぶられる。それだけで――イキそうになる。
「ねえ、続き……シて?」
「う、うん……!」
もう完全に息が上がっていた。ダメだ、と分かっていた。なんせ、さっきから派手に開いた足の間がとんでもないことになっている。お尻まで冷たい。大洪水もいいところだ。ああ自分の家で良かった、シーツをちゃんと代えないと、でもシーツだけじゃなくてもっと下にも染みてしまっていそう――そんなことを考えたら、ますますどろり、と溢れ出すのを感じ取ってしまう。
もう我慢できない。焦らせない。
私はそろそろと指先を下半身に伸ばし、左手で淫猥な花びらを開いて見せてみせた。無様な糸を引いている場所が、きっと彼からは丸見えなのだろう。どくどくと心臓が、そして求めている場所が脈打つのを感じる。完全に、トドメを刺して貰える瞬間を待っている。獣も獲物も、どちらも自分自身だというのに。
「お願い、見て……見て、朝人さん」
本当はもう、指だけじゃ足らないから。
痛いくらい、もっと大きくてきついものが欲しくてならないから。
「私の全部、見て……あああああ!」
そして私は、ふるふると震える塗れた花に自分の指を三本纏めて突き入れ――たったそれだけの刺激で、絶頂していたのである。
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