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第05 百合とSな幼馴染
俺は昼休み、男子トイレに1歩入り困っていた。
世の中、女性同士で一生を過ごす人達は多い、学園でも頬をくっつけながら囁き合っていたり。
ベンチで膝枕をしてる光景なども見た、俺はそれに対して特に特別な感情も無いし、構わないと思う。
し・か・し・男子トイレの個室で、甘い囁きや喘ぎ声が聞こえてくるのは駄目だと思う。
確かに、去年までは学園の中で、1番の安全な場所だったかも知れないが、今年は唯一の男子トイレを使う者が居る事を、忘れないで欲しい。
さて、この現状どうするか、勿論次の授業が終わるまでは持たないだろう。
女子の居る所で、用を足すのは恥ずかしいが、教室で漏らしてしまうよりは良い。
此処は、俺の存在をアピールしてから、入る事にしよう。
「あ~ 後午後の授業で今日も終わりか!」
予想通り静かに成った、早速急いで終わらしてしまおう。
俺は急ぎ用を済ますと、手を洗いトイレを出ようとした・・・
「待ちな!」
「はい?」
「貴方、今年入学して来た、秋本って子よね?」
「そうですけど」
制服のリボンからして、3年生の先輩らしい、もしかして聞いてしまった事に対して何かされるのだろうか?
断れる訳も無く、先輩が促すまま個室へ入ると、扉は閉められ鍵が掛けられた。
オマケに目の前には、制服のボタンを外され、目が虚ろな少女が俺を見つめて居たのだった。
「此の娘は、菊池亜里沙【きくちありさ】、可愛いでしょう」
「・・・はい」
「亜里沙良かったわね、貴方の事を秋本君が見ててくれるわよ」
そう言うと先輩は、亜里沙の首筋から唇へ向かって口づけをして行き耳元で囁いた。
「貴方は、私の宝物よ」
「はい、お姉様」
「秋本君に見られてる気分はどう?」
「恥ずかしいです~」
「亜里沙は、此処が感じるのよね」
先輩は亜里沙の胸へ手を伸ばす。
「お姉様、秋本君の前では恥ずかしいです~」
「嘘は言わないの、本当は興奮してるのでしょう、お仕置きしちゃうわよ」
「ゴメンナサイ、亜里沙は興奮してしまってます」
う~ん、俺としては何も感じないが、いわゆる此れが百合と言うやつなのだろうか?しかし呼ばれて放置されると言うのは辛いな。
そこで丁度、授業の予鈴が鳴った。
「先輩、授業が始まりますので失礼します」
「ちょっと!」
俺は教室まで全力で走った。
「ふぅ、大変だった」
何をしてても構わないが、巻き込むのだけは止めて欲しい所である。
今日の授業も無事に終わり、俺は何時ものメンバーと寮へ向かっていた。
彼女達とは何時も一緒にいるせいか、可成り距離も縮まり、気楽に話せる様に成ってきている。
「それじゃ、またね」
俺は彼女達と別れ、自分の部屋へと入って行った。
着替えを済ませ、宿題に取り掛かっていると、外から涼花の声が聞こえて来た。
「誠司、入っても良い?」
「どうぞ~」
涼花は笑顔で嬉しそうに入ってくると、ベッドへ腰掛けた。
「涼花、どうしたの?」
「誠司、横に座ってくれる」
「うん」
俺は涼花の言う通りに横へ座る。
「今日、誠司は涼花以外の女の娘と、トイレで何をしてたのかなぁ?」
どうやら、涼花に見られ聞かれてた様だ。
「え~と、それは上級生が女の娘を責めてて、それを見させられてた感じかな」
「ふ~ん、後さ、日曜日に美穂と外出もして行ったわよね」
涼花は、ストーカーなのではと疑いたく成ってくる。
「ああ、それはその~」
「誠司は涼花を差し置いて、他の娘とばかり何をやってるでしょうね」
俺は涼花に押され、涼花は俺の上に馬乗りに成った。
「やっぱり、誠司には少しお仕置きが必要なのかな?」
「お仕置き?」
「誠司って、恥ずかしい事するの苦手でしょう?」
やばそうだ、意地の悪い笑顔を見せてる。
「うん」
「だ・か・ら・私が恥ずかしい事をして上げるわ」
「涼花さん?」
涼花は俺の首筋に唇を付け、耳元へ向かって進み始めた。
此れでは、トイレの娘と同じ状況だ、あ~、思い出すと凄く恥ずかしく成ってくる。
涼花は俺の耳を甘噛した。
「あぁ」
「ふふ、誠司って耳が気持良いの?」
涼花の可愛い顔が、小悪魔の様に見える。
さらにエスカレートして、俺のシャツの中に手を入れ、胸の辺りを撫で回し、足は必要以上に絡ませ刺激をしてくる。
「ふふふ、誠司って敏感なのね」
「そんな事無いと思うけど」
「でも体は反応してるわよ」
「お願い、もう許してくれないかな」
「そうね、良いわ」
助かった。
「また次怒らせたら、お仕置きだからね」
「はい」
そう言うと、涼花は自分の履いてる下着を脱ぎ始めた。
「何をしてるのかな?」
「罰の後のご褒美よ、反省したみたいだしね」
そう言いながら、下着を俺の手の上に預けると、笑顔で帰って行った。
ご褒美と言うよりは、火種な気がする・・・
母さん、幼馴染でも女性って怖いですね。
「はぁ、涼花があんな強気な性格に育ってたとはな」
こんな事は人に言える訳も無いし、此れからは出来るだけ涼花を怒らせない様にして行こう。
涼花の下着をベッドへ置き、宿題の続きに取り掛かった。
しかし、集中出来ない、頭からさっきの出来事と、トイレでの亜里沙の顔、もしかしたら俺もあんな虚ろな目をしてしまっていたのだろうか、思い出せば思いだすほど恥ずかしく成って来る。
「秋本君、いらっしゃいますか?」
「はい、どうぞ~」
扉をあけて入って来たのは、すごく恥ずかしそうにしてる、亜里沙だった。
「昼間は、はしたない所を見せてしまい、御免なさい」
「気にしてませんから、お互い忘れましょう」
「少し、良いかしら?」
「大丈夫ですよ」
顔付きからして、誰にも言わないで欲しいと言いたいのだろう、勿論俺は人の恋事情を他人に話すつもりは無い。
ちゃんと説明をして、安心して帰ってもらおう。
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