ふみくん。

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* 当たり前の日々の中、隣には彼がいた。 それはある理由があるからで、私と彼を結びつけている。 それ以外何ものでもなく、お互いが承知の上だ。 今日も今日とて、ふみくんはモテる。 だから今日の帰り道の隣には、ふみくんはいない。 何となく近所の公園に寄って、錆びれたブランコに乗る。 一つのボールを追いかけ回す少年達は、光の塊のようでキラキラとしている。 そんな少年達をチラチラと見ている少女達、これが現代まで続く恋というものの始まりなんだろう。 でも、私はそれをしない。 してはいけない、そう思うから。 何かを好きになる、それは大切なものを失った時の傷が大きいから。 青春なんて一度しかないものなのだから、楽しまなきゃ損だとは思う。 だけど、 「辛いだけだもん」 遠巻きに少年少女達を見つめながら、彼らを諭すように呟いた。
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