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本棚に追加 とくとく、と良い音を立てて黄金色のビールが注がれるグラスを東堂は目を細めて見つめている。
彼の満足そうな表情は、わたしの口元をゆるませてくれる。
「はい、どうぞ」
「ありがとう、茉莉ちゃん」
東堂は手ぶりで、わたしにグラスを持つように促してくる。こちらにも注いでくれようとしているのだ。
素直に従うと、あちらは眉を下げて瓶ビールをうやうやしく注いでくれた。
「お正月早々、素敵なホストに付き合ってもらっているみたいだわ」
「アホなこと言うな」
東堂は上目遣いで、ふざけた口調で窘めてくる。
「とにかく、だ。この一年も、楽しくやろうぜ。な? 茉莉ちゃん」
わたしの頬は、ひとりでにゆるんでいた。
「こちらこそ、よろしくお願いしますね。『係長』さま」
かちん、と乾杯のグラスを合わせた。つめたいビールなのに、食前の胃にやさしく感じられるのが不思議だ。
他愛ない話をしはじめると、すぐに注文した特選寿司が運ばれてくる。
「わあ」
わたしは、まるでちいさな子供のように声を上げてしまう。

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