17人が本棚に入れています
本棚に追加
蛇使い
それは先に細い吹き口のある縦笛で ♬に~に~~~ と猫の鳴き声のような音を出した。魔術師は何かに取り憑かれたように怪しく激しく身をくねらせて笛を吹き始めた。
♬に~に~~ににににに~~~~♪に~に~に~ににに~~~
初め持ち込まれた時の二倍にも膨れ上がった妖しい壺の中から、先程の大蛇の十倍も太さがあるであろうバカでかい蛇がニョッキリと頭を突き出した。人間が三人くらい中に入っているのではないかと祥太は思った。
黒人の魔術師もまた蛇使いだったのだ。彼は笛を吹き鳴らしながら壺の周囲をウロウロと歩き回った。すると巨大な蛇はニョロリと体を5m程、現した。生臭い匂いがして蛇の鱗がテントの天井に擦れガザガザと不気味な音を立てた。
最初のコメントを投稿しよう!