軍学校 教官室

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軍学校 教官室

「パドリック中将、お疲れ様です。お茶を持ってきましたが、お昼はどうしますか?。集中をされていたようなので、敢えて声を掛けませんでしたが」 副官であるのっぽの青年武官、ピジョン曹長が口にする通り、上司である自分が集中をして"乗っていた"状態だったので、声を掛けられずにいたおかげで仕事は順調に片付いていた。 場所は軍のアルセン・パドリック中将の執務室となる。 先日アルス・トラッドを最後に送り出した新人兵士達の到着報告や、勤務表の確認要請の書類が怒涛の勢いで届けられ、片付けている内に午前を追い越し午後まで食い込み、アルセンは副官のピジョン曹長を道連れに完全に昼食を取り損ねていた。 「付き合わせてすみませんね、ピジョン曹長。さて、どうしましょうか。 今から食べたら夕飯時が苦しいかもしれませんし」 軍に所属していたなら食堂に食事は準備されているが、事前連絡等がなければ結構シビアに融通が利かない対応をしてくれるので、本日の昼食に関してはアルセン自身の完全な配慮不足となる。
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