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ただ、そこから賢者から聞いた内出血の誤魔化した方は、ごく一般的な物で、
あーだこーだやっている内にお嬢さんが戻ってくる時間も差し迫り最終的に、
賢者『治癒術使った方が早くない?』
貴族『マッサージして貰ったのに、グランドールに魔力まで使ってもらうのは申し訳ありません。治癒術は専門家でないと結構集中力を消費しますからね』
賢者『ちなみに、もし、仮に近距離に私が傍に居たら?』
貴族『最近評判になっている菓子屋のチョコレートを、不貞不貞しい事ばかり話している口に御礼代わりに突っ込んで、容赦なく治癒術使って貰いますが?』
農家『アルセン、どうせ休暇だしワシは別に構わんが……』
貴族『駄目です、それなら襟のある服を着て誤魔化せばいいんですよ』
賢者『じゃあ、最初からそれでいいじゃないか?!毎度、2人のこういったやり取りで私を巻き込むな!』
貴族『一応、貴方の教えてくれた方法を参考にして、早めに消せる努力はしますよ、無駄にはしません、有難く思いなさい』
賢者『ちょっと、グランドール、元教育担当教官!、どうしてこの子のお肌は真っ白なのにお腹はこんなに真っ黒なの!』
農家『ネェツアーク・サクスフォーンの教育の賜物だろうよ』
といったやり取りを行った後に、何とか意識を持ち直した仕立屋の
仕立屋『あの、襟のある服もですが、湿布をはるのも宜しいかと……』
という一番まともな意見を参考する形になり、グランドールによって着けられたアルセンへの痣(※嘘ではない)は誤魔化される事になったのだった。
「去年と同じですね」
「ええ、そういう事になります」
ピジョン曹長が、アルセンの軍服の襟の奥の部分に視線を向けながら苦笑を浮かべる。
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