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僕の子供時代、そう、昭和50年代は空き地や田んぼが多くて民家がまばらだった頃・・・同級生が、オバケを目撃したのです。
彼は週2回、そろばん教室に通ってました。冬は塾が終わる頃にはうす暗くなっており、怖がりの彼は早く家に帰りたいが為に、有刺鉄線の下をくぐり空き地を通り抜けていたそうです。
その日も塾の帰り、家路をショートカットしていました・・・が、そばの枯れ草の間に何かがいる気配を感じたのです。
怖いくせに、少しの好奇心が頭をもたげ、ソロリと近づき目を凝らしました。
草のあいだにギョロリとした大きな目玉が2つ浮かんでおり、彼はギャーと叫び、有刺鉄線に引っかかるのもかまわず、ボロボロになって帰宅しました。
その目玉のオバケ話はたちまち、子供達の間に広まりました。怖いもの知らずの上級生らが肝試しにいったものの、オバケは姿を現さなかったみたいです。
先日、小学校の同窓会があり、このオバケの話が出て、そんな事もあったねと談笑しました。
僕はグラス片手に笑ってましたが心の中はザワついていたのです。それは、同級生が空き地で目撃したオバケの正体が僕だったからです。
少年の頃の僕はお腹が弱く、家まで我慢できない時は草むらのかげで、用を足してました。同級生が見た目玉のオバケというのは、僕の白い両尻にうかぶ、モウコハンだったのです。
僕のモウコハンはまるで、鯉のぼりの目玉のようで母親はそれをとても気にしていて、小、中学校の修学旅行を休ませたくらいです。
今僕は40代になり、モウコハンは消え去りました。この同窓会で事実を明かそうかなと思ったのですが、一応かっこつけで通ってるので、言い出せませんでした。もう、このまま死ぬまで胸にしまうことにします・・・。
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