2.ようこそ海賊の世界へ

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そして、現在に至る ホラースポットと呼ばれている場所は、一見普通の町並みとは変わらない しかし、此処はヴェオール街の端。つまり山の麓 坂道を登りきり、息を切らしようやくたどり着いた 「はぁ…はぁ…つ、着いた…」 「よしよし。頑張ったね、リンちゃん」 偉い偉いと、隣のヒカルさんに頭を撫でられる 取り敢えず、息を整えよう 「どころでさヒカル。此所はどんなホラースポットなの?」 「まぁ噂的にはいろいろあるかな。特に有名なのが…」 ヒカルはある一角を指差す 「あそこだよ」 遠巻きに見えたその場所は、学校と思われる古びた建物 「学校か?」 「うん。今は使われて無いけどね」 つまりは廃校 「小学校だったんだけどね。遠足に向かう途中事故に巻き込まれて教師と児童合わせて30人近く亡くなったらしいんだ」 「それは…」 「かなり悲惨な事故だな」 「うん。僕も父さんから聞いたから詳しくは知らないんだけど。その事故から学校が使われなくなって廃校になったんだって。それから女性教師の霊が出るってよく聞くよ」 他にも児童の霊を見たと言う人もいたらしい 「まずは行ってみるか」 「いざ行くとなると気が引けるわね」 「興味本位で行くような場所ではありませんからね」 まぁ確かに 「でも、行ってみないことには始まらないっすよ」 「そうだね。2号店を安心してオープンさせるためでもあるから。取り敢えずは近くまで行こうか」 慎重に確認しながら廃校へと向かう 亡霊の噂は通り道でもあるらしいが、それらしきものは今は起きていない ホラースポットってだけのことはあって人通りは少ない 私達みたいに数人でぞろぞろ歩いているのは目立ちそうだ しばらく歩くとある場所に着いた 「ここみたいだな」 まだ建設途中の建物 店主はまだ建ててる途中って言ってたし きっと此所が2号店の場所になるのだろう 「いい場所じゃない。この感じはテラス席もあるのね」 「外で食べるあのフレンチトーストとか最高だろうね」 「あら、いいわね。オープンしたら是非行きましょ」 「おう、もちろん皆でだな。さて行くぞ」 私達は再び廃校へ歩き始める 意外と道は複雑ではなく、そこまで遠くはなかった 校門前まで来た私たちはそこから校舎の様子を眺めた
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