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そして、現在に至る
ホラースポットと呼ばれている場所は、一見普通の町並みとは変わらない
しかし、此処はヴェオール街の端。つまり山の麓
坂道を登りきり、息を切らしようやくたどり着いた
「はぁ…はぁ…つ、着いた…」
「よしよし。頑張ったね、リンちゃん」
偉い偉いと、隣のヒカルさんに頭を撫でられる
取り敢えず、息を整えよう
「どころでさヒカル。此所はどんなホラースポットなの?」
「まぁ噂的にはいろいろあるかな。特に有名なのが…」
ヒカルはある一角を指差す
「あそこだよ」
遠巻きに見えたその場所は、学校と思われる古びた建物
「学校か?」
「うん。今は使われて無いけどね」
つまりは廃校
「小学校だったんだけどね。遠足に向かう途中事故に巻き込まれて教師と児童合わせて30人近く亡くなったらしいんだ」
「それは…」
「かなり悲惨な事故だな」
「うん。僕も父さんから聞いたから詳しくは知らないんだけど。その事故から学校が使われなくなって廃校になったんだって。それから女性教師の霊が出るってよく聞くよ」
他にも児童の霊を見たと言う人もいたらしい
「まずは行ってみるか」
「いざ行くとなると気が引けるわね」
「興味本位で行くような場所ではありませんからね」
まぁ確かに
「でも、行ってみないことには始まらないっすよ」
「そうだね。2号店を安心してオープンさせるためでもあるから。取り敢えずは近くまで行こうか」
慎重に確認しながら廃校へと向かう
亡霊の噂は通り道でもあるらしいが、それらしきものは今は起きていない
ホラースポットってだけのことはあって人通りは少ない
私達みたいに数人でぞろぞろ歩いているのは目立ちそうだ
しばらく歩くとある場所に着いた
「ここみたいだな」
まだ建設途中の建物
店主はまだ建ててる途中って言ってたし
きっと此所が2号店の場所になるのだろう
「いい場所じゃない。この感じはテラス席もあるのね」
「外で食べるあのフレンチトーストとか最高だろうね」
「あら、いいわね。オープンしたら是非行きましょ」
「おう、もちろん皆でだな。さて行くぞ」
私達は再び廃校へ歩き始める
意外と道は複雑ではなく、そこまで遠くはなかった
校門前まで来た私たちはそこから校舎の様子を眺めた
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