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どうしたんだろう?
「お姉ちゃん…?」
そう呼んでみるも、返答はない
本当にどうしちゃったの?
「お姉ちゃん!」
聞こえなかったのかなと思い、もう少し大きな声で呼んでみる
しかし、返答はない
「リンちゃん。これはマズいかもしれない」
「ど、どうしたら…」
「とりあえず、船長たちを呼ぼう。まだ、遠くには行ってないはず」
そう言い、ヒカルさんは念を送る
ふとお姉ちゃんが立ち上がる
「あ!お姉ちゃん!」
そして、歩みを進めた先には森
待って、そっちは行ってはいけないような気がする
「行っちゃだめ」
腕を掴み、必死にお姉ちゃんを止める
「行か…なきゃ…行かな…きゃ…」
「行かなきゃって何処にだい?」
「行か…なきゃ…」
問いかけても、お姉ちゃんはそれしか言わない
ヒカルさん私に止められ、足をバタつかせている
「こうなったら奥の手!」
そう言うと、ヒカルさんはお姉ちゃんの首の後ろに一発くらわせる
「うぐっ」
そして、右手でお姉ちゃんの目を覆う
さっきまで暴れてた事が嘘のように、お姉ちゃんは崩れ落ちていく
これって、前に私にも使ってた相手を眠りにつかせるヒカルさんの技…
「あっ」
私は、慌てて駆け寄る
とっさに2人で支え、私が膝枕するようにゆっくりと寝かせた
「ご、ごめん。君の姉ちゃんを」
「いえ。寧ろ止めていただきありがとうございます」
実際、こうでもしたかったら危なかった気がする
そのまま、森に行っちゃったらどうなってたか
「おい!どうした?」
しばらくして、船長たちがやって来る
「何があった?」
状況を見るなり船長が聞いてくる
「それがトンネル抜けたら、お姉ちゃんの様子がおかしくなっちゃって…」
「…とりあえず、移動するぞ」
「分かった。リンちゃん、ユウナは俺が抱えるよ」
「はい…」
(また、トンネルを通るのか…)
お姉ちゃんの、体を起こしヒカルさんに預けると再びトンネルの中に入った
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